初めてのグループホーム選び、何から始める?費用・入居条件・選び方の完全ガイド【2026年最新】

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この記事のポイント(TL;DR)

  • グループホームは認知症の診断を受けた要支援2以上または要介護1以上の方が対象で、5〜9人の小規模ユニットで共同生活する施設
  • 月額費用の目安は15〜18万円程度(介護サービス費+家賃+食費+日常生活費)。高額介護サービス費で負担を軽減できる
  • 住民票が施設のある市区町村にあることが入居条件のため、遠方の施設への入居は原則できない

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「親が認知症と診断された。施設を探し始めたけれど、グループホームというものがどんな施設なのかよくわからない」——そんな方は多いはずです。

グループホームは、認知症の方が専門スタッフと少人数で共同生活を送ることで、症状の進行を穏やかにしながら自分らしい生活を続けられる介護施設です。特養(特別養護老人ホーム)や有料老人ホームと比べると知名度はやや低いものの、認知症ケアに特化した専門性の高さから利用者数は年々増加しています。

この記事では、グループホームとは何か、入居条件・費用・選び方・入居の流れまでを一気通貫で解説します。読み終えるころには「次にどこに電話すればよいか」が明確になるはずです。

グループホームとは何か — 認知症対応型共同生活介護の全体像 {#section-overview}

正式名称は「認知症対応型共同生活介護」

グループホームの正式名称は認知症対応型共同生活介護です(介護保険法第8条第20項)。認知症の診断を受けた高齢者が、専門の介護スタッフのもとで少人数の共同生活を送る介護サービスです。

介護保険サービスは大きく「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3種類に分かれます。グループホームはこのうち地域密着型サービスに位置付けられており、「住み慣れた地域で暮らし続ける」という介護保険の理念を体現した施設形態です。

地域密着型サービスは、国が全国一律に提供するのではなく、市区町村が運営主体となるサービスです。そのためグループホームは原則として施設のある市区町村に住民票がある方しか利用できません。これは特養や有料老人ホームとの大きな違いのひとつです。

5〜9人の小規模ユニットで「なじみの関係」を作る

グループホームの最大の特徴は、1ユニット5〜9人という少人数制です。大規模施設と異なり、入居者同士や介護スタッフとの「なじみの関係」(長期の人間関係)が育ちやすい環境が整っています(参考: 公益社団法人日本認知症グループホーム協会 https://www.ghkyo.or.jp/)。

認知症の方は環境の変化や見知らぬ人に対して強いストレスを感じやすい傾向があります。グループホームでは少人数の固定した生活空間を持つことで、認知症の行動・心理症状(BPSD)が和らぎ、心身の安定が保たれやすくなるという効果が報告されています。

施設の形態は民家型・アパート型・ミニ施設型など多様です。令和2年度制度改正により、1施設あたり最大3ユニット(最大27人)まで設置できるようになりました。

特養・老健・有料老人ホームとの違い

グループホームと他の主要な介護施設の違いを整理します。

比較項目 グループホーム 特養(特別養護老人ホーム) 老健(介護老人保健施設) 介護付有料老人ホーム
入居条件 要支援2〜、認知症診断、住民票制約あり 原則要介護3以上 要介護1以上(病状安定後) 要介護1以上(施設により異なる)
定員 1ユニット5〜9人(最大3ユニット) 数十〜数百人 数十〜数百人 施設によって様々
目的 認知症ケア・共同生活 長期の生活の場 リハビリ・在宅復帰支援 生活の場(幅広い対応)
月額費用目安 15〜18万円 6〜12万円(多床室) 8〜15万円 15〜30万円
待機期間 数か月〜1〜2年 数年(都市部) 比較的短い 施設による
医療対応 限定的 限定的 比較的高い 施設による

グループホームが最も向いているのは、認知症はあるが身体機能は比較的保たれており、少人数の安定した生活環境が心の安定につながる方です。重度の医療ケアが継続的に必要な場合や、在宅復帰を目指す場合は他の施設の方が適切なケースがあります。

詳しい比較は特別養護老人ホーム完全ガイド介護老人保健施設(老健)完全ガイドもご覧ください。

全国のグループホームの現状

厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」によれば、グループホームは全国に約14,000か所以上設置されており、約20万人以上の高齢者が利用しています。都市部では待機者が多く、申し込んでから入居まで数か月〜1年以上かかるケースも珍しくありません。グループホームへの入居を検討している場合は、早めに情報収集を始めることが大切です。

グループホームの入居条件 — 誰が利用できるか {#section-conditions}

グループホームに入居するには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。

条件1: 年齢(原則65歳以上)

グループホームは介護保険サービスの一種であるため、第1号被保険者(65歳以上)が主な対象です。ただし、40〜64歳(第2号被保険者)でも若年性認知症などの「特定疾病」に該当する場合は利用できます。

特定疾病は16種類あり、若年性認知症(アルツハイマー型認知症・レビー小体型認知症など)、脳血管疾患(脳梗塞・脳出血後遺症等)、パーキンソン病関連疾患などが含まれます。40〜64歳で特定疾病に該当するか不明な場合は、主治医またはかかりつけ医に相談してください。

条件2: 要介護度(要支援2以上または要介護1〜5)

グループホームを利用するためには、介護保険の要介護認定で要支援2以上または要介護1〜5の認定を受けていることが必要です(出典: 健康長寿ネット「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは」https://www.tyojyu.or.jp/net/kaigo-seido/chiiki-service/group.html)。

  • 要介護1〜5の方: 「認知症対応型共同生活介護」として利用可能
  • 要支援2の方: 「介護予防認知症対応型共同生活介護」として利用可能
  • 要支援1の方: 利用できません

まだ要介護認定を受けていない方は、まず市区町村の介護保険課または地域包括支援センターに申請が必要です。申請から結果通知まで約30日かかりますので、早めに動きましょう。申請方法の詳細は要介護認定の受け方ガイドをご覧ください。

要介護度別の利用状況の目安: グループホームでは要介護2〜3の利用者が多く見られます。要介護4・5の方でも利用できますが、医療ニーズが高まってくると施設から退去を求められるケースもあります。入居前に施設の医療連携体制を確認しておくことが重要です。

条件3: 認知症の診断を受けていること

グループホームは認知症の方専用の施設のため、**医師による認知症の診断(診断書または主治医意見書)**が入居の必須条件です。認知症の種類(アルツハイマー型・レビー小体型・血管性認知症・前頭側頭型認知症など)は問いません。

「物忘れはあるが認知症かどうかわからない」という場合は、まずかかりつけ医に相談し、必要であれば認知症専門外来(物忘れ外来)に紹介してもらいましょう。認知症について詳しく知りたい方ははじめての認知症介護ガイドもご覧ください。

条件4: 施設の所在市区町村に住民票があること

グループホームは地域密着型サービスのため、原則として施設の所在地と同じ市区町村に住民票がある方しか利用できません。これは特養や有料老人ホームにはない、グループホーム特有の制約です。

よくある注意点

  • 子どもの家の近くにある施設に入居したい場合、親の住民票をその市区町村に移す必要がある場合がある
  • 住民票の移転は実際の居住実態があることが前提(住民基本台帳法)
  • 入院中に住民票を転居した場合、自治体によっては認められないケースがある

「離れて暮らす親のグループホームを子どもの近くで探したい」という場合は、入居を希望するグループホームがある市区町村の介護保険課に事前に相談してみてください。

条件5: 共同生活を送れる状態であること

グループホームでは入居者が共同生活の中で役割を持ちながら生活することを大切にしています。そのため、他の入居者との共同生活に著しく支障をきたすほどの激しいBPSD(徘徊・暴力行為・大声等)が継続する場合は、入居を断られたり退去を求められるケースがあります。

入居審査では、主治医の意見書や本人の状態確認、施設スタッフによる面接(体験入居含む)が行われます。「入居できるかわからない」と感じた場合は、まず施設に電話で相談してみることをお勧めします。

グループホームで受けられるサービス — 1日の流れと内容 {#section-services}

日常生活支援

グループホームで提供される基本的なサービスは以下の通りです(介護保険法第8条第20項・厚生労働省省令に基づく)。

身体介護

  • 入浴介助(週2〜3回程度)
  • 排泄介助(トイレ誘導・おむつ交換)
  • 食事介助
  • 更衣介助
  • 整容(洗顔・歯磨き・整髪)

生活支援

  • 食事の準備・配膳・後片付け(入居者も参加できる)
  • 洗濯・掃除・買い物の支援
  • 服薬管理
  • 金銭管理のサポート

機能訓練・リハビリ的活動

  • 身体機能の維持・向上を目的としたリハビリ的な活動
  • レクリエーション(ゲーム・音楽・工作・園芸など)
  • 外出・散歩・地域行事への参加

認知症ケアの特徴 — グループホームならではのアプローチ

グループホームの介護の中核にあるのが認知症ケアです。単に身体介護を行うだけでなく、認知症の方の「残存能力」(まだできること)を引き出し、役割を持って生活できるようサポートします。

主なケアのアプローチ

  1. 回想法: 過去の思い出を語り合うことで心の安定を図る
  2. ユニット型小規模環境: 少人数で顔なじみの環境を作り、安心感を提供
  3. なじみの活動参加: 料理・農作業など過去に経験した活動への参加で達成感を得る
  4. パーソンセンタードケア: 認知症の人を「その人らしい個人」として尊重するケア哲学
  5. 環境整備: 方向感覚を保てる見やすいトイレの表示、穏やかな照明など

スタッフの配置基準は、日中は利用者3人に1人(常勤換算)、夜間は1ユニットにつき1名以上です(厚生労働省省令)。日中はきめ細かいサポートが受けられます。

1日のスケジュール例

時間 内容
7:00 起床・朝の支度(着替え・洗顔)
8:00 朝食(入居者も一緒に準備に参加することも)
9:00 自由時間・外出・散歩・機能訓練
12:00 昼食
13:00 昼休み・自由時間
14:00 レクリエーション・入浴(週2〜3回)
16:00 自由時間・家族面会
18:00 夕食
19:00 余暇・入浴(夕方〜夜間)
21:00 就寝

実際のスケジュールは施設によって大きく異なります。見学の際に1日の流れを確認しておきましょう。

医療ケアの限界と注意点

グループホームは介護施設であり、医療機関ではありません。提供できる医療ケアには限りがあります。

対応が難しいケース

  • 経鼻経管栄養(チューブで栄養を入れる)が継続的に必要な方
  • 気管切開後の管理が必要な方
  • 頻繁な注射・点滴処置が必要な方
  • 胃ろう管理(施設によっては対応可。事前確認が必須)

看護師の配置状況: 看護師の常勤は義務付けられていませんが、多くの施設では非常勤の看護師が定期的に訪問しています。医療連携の協定病院を持つ施設も増えており、緊急時の対応を強化しています。

施設入居後に医療ニーズが高まった場合、施設から退去を求められることがあるという点は、入居前にしっかりと確認しておきましょう。

看取り対応

近年、グループホームでも看取り対応(施設での自然な最期を看取ること)に対応する施設が増えています。国の方針でも「住み慣れた場所での看取り」を推進しており、介護保険の「看取り加算」が設けられています。

「最期まで住み慣れたグループホームで過ごしてほしい」という希望がある場合は、施設選びの段階で看取り対応の有無を必ず確認してください。

グループホームの費用 — 月額いくらかかる? {#section-cost}

費用の種類:入居時と毎月の2本立て

グループホームの費用は大きく「入居時にかかる費用」と「毎月かかる費用」に分かれます。

入居時にかかる費用

  • 入居一時金(保証金・敷金): 0〜数十万円程度(施設によって大きく異なる)

入居一時金は家賃の保証金的な性格を持つものと、施設の初期費用的な性格を持つものがあります。退去時に返還されるケースが多いですが、一部が「償却」(返還されない)になる場合もあります。厚労省の介護サービス情報公表システムの事例では、入居一時金0円の施設から15〜20万円の施設まで様々です。契約前に返還ルールを必ず確認してください。

毎月かかる費用の内訳

毎月かかる費用は主に4種類です。

費用項目 金額の目安 補足
介護サービス費(自己負担1割) 約23,000〜28,000円 要介護度・ユニット数・加算で変動
家賃(居室費) 50,000〜80,000円 立地・設備により差が大きい
食費 40,000〜50,000円(1日約1,300〜1,500円) 食材費相当
光熱水費・管理費 25,000〜40,000円 施設により異なる
合計 約15万〜20万円 所得段階や加算により増減あり

出典: 厚生労働省「介護サービス情報公表システム」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/care_services_guide/care_services_guide_service07.html)、健康長寿ネット「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは」

介護サービス費の詳細(要介護度別)

介護サービス費は介護保険から給付される費用の自己負担分です。所得に応じて1割・2割・3割のいずれかを負担します。大多数の方(約7割)は1割負担です。

以下は1ユニット型施設の基本報酬(1割負担・1日あたり)の目安です(出典: 健康長寿ネット、令和6年度介護報酬に基づく概算値)。

要介護度 1日あたり(1割負担・概算) 月額(30日換算)
要介護1 約761〜770円 約22,800〜23,100円
要介護2 約797〜808円 約23,900〜24,200円
要介護3 約820〜836円 約24,600〜25,100円
要介護4 約837〜872円 約25,100〜26,200円
要介護5 約854〜909円 約25,600〜27,300円

※上記は基本報酬のみ。サービス提供体制強化加算・処遇改善加算等の加算が加わると自己負担額は増加します。2ユニット以上の施設ではやや安くなります。

費用を軽減できる4つの制度

グループホームの費用が高いと感じた場合、以下の制度を活用できます。

制度1: 高額介護サービス費

1か月の介護サービス費の自己負担額が一定額を超えた場合、超過分が払い戻される制度です(介護保険法第51条)。上限額は世帯の所得段階によって異なります。

所得区分(令和3年8月改正後) 月額上限
課税所得690万円以上(年収約1,160万円以上) 140,100円(世帯)
課税所得380万円以上690万円未満(年収約770万〜約1,160万円) 93,000円(世帯)
市町村民税課税〜課税所得380万円未満 44,400円(世帯)
世帯の全員が市町村民税非課税 24,600円(世帯)
うち前年の公的年金等収入金額+その他の合計所得金額の合計が80万円以下の方等 24,600円(世帯)/15,000円(個人)
生活保護を受給している方等 15,000円(世帯)

(出典: 厚生労働省「高額介護サービス費の負担限度額(令和3年8月利用分から)」)

申請は市区町村の介護保険課で行います。初回申請後は自動的に計算され、超過分が払い戻されます。

制度2: 社会福祉法人による利用者負担軽減

社会福祉法人が運営するグループホームでは、低所得者向けに利用者負担を25%軽減する制度があります(市区町村認定が必要)。施設の運営主体が社会福祉法人であることが条件です。

制度3: 医療費控除の活用(確定申告)

グループホームの介護サービス費の一部は、確定申告で医療費控除として申告できます。詳しくは税務署またはかかりつけの税理士に相談してください。

制度4: 生活保護の医療扶助・介護扶助

生活保護を受給している方は、介護扶助によって介護サービス費が原則自己負担なしになります。施設によっては受け入れ可否が異なりますので、市区町村の福祉事務所に相談してください。

グループホームのメリット・デメリット {#section-merit}

グループホームを選ぶ5つのメリット

メリット1: 認知症ケアに特化した専門的な支援が受けられる

グループホームのスタッフは認知症ケアの専門訓練を受けており、認知症の特性を理解したサポートが受けられます。管理者には「3年以上認知症の介護に従事した経験」が必須とされており(厚生労働省省令)、認知症ケアの質が法的に担保されています。

メリット2: 少人数でアットホームな環境が安心感を生む

1ユニット最大9人という少人数制は、顔なじみの関係を作りやすく、認知症の方でも落ち着いて生活できる環境を生み出します。大規模施設では混乱しやすい方も、グループホームでは安定した生活を送れるケースが多いです。

メリット3: 住み慣れた地域に住み続けられる

地域密着型サービスであるグループホームは、原則として住み慣れた市区町村内に設置されます。「地元を離れたくない」という本人の意向や、「施設が近い方が面会しやすい」という家族の希望に応えやすいです。

メリット4: 在宅介護より家族の負担が大幅に軽減される

認知症の在宅介護は、24時間の見守りや夜間の排泄介助など、家族への負担が非常に大きいものです。グループホームへの入居で家族が介護から少し距離を置き、精神的・身体的な余裕を取り戻すことができます。介護と仕事の両立については介護と仕事の両立ガイドもご覧ください。

メリット5: 特養より入居しやすいケースがある

特別養護老人ホーム(特養)は原則として要介護3以上しか入れず、都市部では数年待ちになることも珍しくありません。グループホームは要支援2・要介護1からも対象で、特養と比べると入居しやすいケースがあります(施設によっては待機者が多い場合もあります)。

グループホームを選ぶ4つのデメリット

デメリット1: 医療対応が限定的

グループホームは介護施設であり、医療機関ではありません。経管栄養が必要な状態になった場合、施設によっては退去を求められることがあります。入居前に「どのような医療ケアに対応しているか」を必ず確認しましょう。

デメリット2: 住民票の制約がある

施設の所在する市区町村に住民票が必要です。「子ども世帯の近くに住まわせたい」という場合は住民票の移転が必要となり、手続きが複雑になることがあります。

デメリット3: 空き待ちが発生しやすい

人気のグループホームは空き待ち状態になっていることが多く、希望の施設にすぐ入居できないケースがあります。特に都市部では1〜2年待ちになることも。早めの情報収集と複数施設への同時申し込みが有効です。

デメリット4: 在宅サービスとの併用制限がある

グループホームの利用中は、訪問介護や通所介護などの居宅サービスを原則として利用できません(居宅療養管理指導は除く)。在宅サービスとの組み合わせを望む方には向きません。

グループホームが向いている人・向いていない人

向いている人 向いていない人
認知症の診断を受けている 認知症の診断がない
身体機能は比較的保たれている 重度の医療ケアが継続的に必要
少人数の安定した環境を望む 在宅サービスと組み合わせたい
地元で暮らし続けたい 子ども世帯近くの他市区町村で探したい
在宅介護の継続が困難になってきた まだ在宅サービスで十分対応できる

グループホームの選び方と入居の流れ {#section-selection}

施設選びの6つのポイント

グループホームは全国に14,000か所以上あり、質にも大きな差があります。以下のポイントを参考に、じっくりと選んでください。

ポイント1: スタッフの質と定着率を確認する

グループホームの質を最も左右するのはスタッフです。見学時に次の点を確認しましょう。

  • スタッフと入居者の会話・コミュニケーションの様子
  • 介護福祉士の配置割合(多い方が専門性が高い)
  • 前年度の常勤スタッフ退職率(高い場合は職場環境に問題がある可能性)

厚労省「介護サービス情報公表システム」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)では各施設のスタッフ配置状況・退職者数などが公表されています。事前に必ずチェックしましょう。

ポイント2: 認知症ケアの方針と具体的な取り組みを聞く

「どのような認知症ケアを行っているか」を具体的に質問してください。バリデーション療法・回想法・ユマニチュードなど具体的なアプローチを実践しているか、外出や地域交流の機会があるか、レクリエーションの内容と頻度を確認しましょう。

ポイント3: 医療連携体制を確認する

協力医療機関(かかりつけ医との連携方法)、往診の頻度、緊急時の対応手順について確認しましょう。看取り対応の有無も今後のことを考えると重要な確認事項です。

ポイント4: 費用の透明性と内訳を確認する

月額費用の総額だけでなく、内訳(家賃・食費・光熱費・管理費・加算項目)を詳しく確認してください。「加算」の内容によっては毎月数千〜数万円が上乗せされることがあります。契約前に重要事項説明書を必ず読んでください。

ポイント5: 立地と生活環境を見る

散歩や外出できる環境か、家族が面会しやすい距離か、騒音・においなど生活環境の質を確認しましょう。居室面積の基準は1室あたり7.43㎡以上が省令で定められています(目安: 9〜10㎡の個室が多い)。

ポイント6: 「運営推進会議」の開催状況を調べる

グループホームには地域住民代表・家族・施設関係者が定期的に集まる運営推進会議の開催が義務付けられています(2か月に1回以上)。年6回開催している施設は地域との連携や運営の透明性が高い傾向があります。

入居の流れ — 申込みから入居まで

Step 1: 情報収集(施設を探す)

まず候補施設をリストアップします。

  • 地域包括支援センターに相談し、近くのグループホームを紹介してもらう(最も確実)
  • 厚労省「介護サービス情報公表システム」で自分の市区町村内を検索する
  • ケアマネジャーがいる場合は紹介を依頼する

地域包括支援センターの役割・使い方は地域包括支援センター完全ガイドをご覧ください。

Step 2: 資料請求・事前確認(1〜2週間)

候補施設(3か所以上推奨)に資料を請求し、入居条件・待機状況・月額費用の目安・施設の理念を確認します。

Step 3: 見学(1〜2時間/施設)

必ず実際に訪問して見学します。施設の雰囲気・スタッフの対応・入居者の表情・衛生状態・居室・トイレ・浴室の設備を確認してください。

見学時のチェックリスト:

  • 施設内の清潔感・においの有無
  • 入居者の表情・スタッフとの会話の様子
  • 食堂・居室・トイレ・浴室の設備と清潔さ
  • 緊急時の連絡体制
  • 面会のルール・時間帯
  • 洗濯・私物の管理方法
  • 看取り対応の有無

Step 4: 体験入居(1〜3日)

多くのグループホームでは体験入居が可能です(介護保険適用外・実費)。実際に生活してみて本人が馴染めそうかどうか確認することを強くお勧めします。

Step 5: 申込み・入居審査

希望施設に申し込み後、書類審査(主治医の診断書・要介護認定証・健康診断書等)と本人面接が行われます。

Step 6: 契約・入居

審査通過後、重要事項説明書の内容を十分に確認してから契約書に署名します。不明点は遠慮なく質問してください。入居後も気になることがあればケアマネジャーや地域包括支援センターに相談できます。

よくある質問(FAQ) {#section-faq}

Q1. グループホームに入居できる要介護度は何からですか?

A. 要支援2または要介護1以上が対象です。要支援2の方は「介護予防認知症対応型共同生活介護」として利用できます。要支援1の方は利用できません。要介護認定をまだ受けていない場合は、まず市区町村の介護保険課または地域包括支援センターに相談してください(出典: 健康長寿ネット「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは」)。

Q2. 認知症の診断書は必ず必要ですか?

A. はい。グループホームは認知症専用の施設のため、**医師による認知症の診断(診断書または主治医意見書)**が入居の必須条件です。「物忘れはあるが認知症か不明」という場合は、まずかかりつけ医または認知症専門外来を受診しましょう。

Q3. 介護保険は使えますか?自己負担はいくらですか?

A. 介護保険が適用されます。介護サービス費の自己負担は原則1割(所得によって2割・3割)です。1割負担の場合、介護サービス費の月額は要介護度によって約23,000〜27,000円です。これに家賃・食費・光熱費などが加わり、月額合計は15〜18万円程度が目安です(施設・地域・加算状況により異なります)。

Q4. 住民票はどこに置く必要がありますか?

A. 原則として施設のある市区町村に住民票が必要です(地域密着型サービスの制約)。他の市区町村から入居を希望する場合は住民票の転居が必要です。事情がある場合は入居希望施設のある市区町村の介護保険課に事前に相談してください。

Q5. 要介護1でもグループホームに入れますか?

A. はい、入居できます。グループホームの対象は要介護1〜5です。ただし認知症の診断が必要で、また施設によっては「共同生活が可能な状態」という条件があるため、要介護1でも施設の判断で入居を断られることがあります。

Q6. 訪問介護やデイサービスと併用できますか?

A. グループホーム入居中は、居宅サービス(訪問介護・デイサービス等)は原則利用できません(居宅療養管理指導は除く)(出典: 健康長寿ネット「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)とは」)。グループホームのサービスで日常生活が完結する施設形態のためです。

Q7. 施設を途中で退去することはできますか?

A. できます。ただし、本人・家族の意向だけでなく、以下の場合は施設側から退去を求められることがあります。医療ニーズが高まり施設での対応が困難になった場合、他の入居者への影響が著しい行動が継続する場合、費用の未払いが続いた場合などです。入居前に「退去条件」を契約書・重要事項説明書でよく確認しておきましょう。

Q8. 介護度が上がった場合(例:要介護3→5)、そのまま住み続けられますか?

A. 要介護度が上がっても、身体状態が施設の対応範囲内であれば継続入居できます。ただし、経管栄養や気管切開など医療ニーズが高くなった場合は退去を求められることがあります。施設選びの際に「対応できる医療ケアの範囲」を事前に確認することを強くお勧めします。

Q9. グループホームと小規模多機能型居宅介護はどう違いますか?

A. 小規模多機能型居宅介護は「通い・訪問・宿泊」を組み合わせた在宅支援サービスで、自宅で暮らしながら利用します。一方、グループホームは施設に入居(住む)するサービスです。まだ在宅介護を続けたい方や施設入居をためらっている方には、まず小規模多機能型居宅介護を試すという選択肢もあります。

Q10. 生活保護受給者でも入居できますか?

A. 施設によっては生活保護受給者の入居を受け入れています。ただしすべての施設が対応しているわけではありません。生活保護を受給している場合は、担当ケースワーカーまたは市区町村の介護保険課・地域包括支援センターに相談してください。

Q11. グループホームを探すよい方法はありますか?

A. 最も確実なのは地域包括支援センターに相談する方法です。施設の特徴や評判も教えてもらえます。また、厚労省「介護サービス情報公表システム」(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)で市区町村内のグループホームを検索し、職員配置・費用・運営推進会議の開催状況などを比較することもできます。

Q12. グループホームへの入居を断られたら、他にどんな選択肢がありますか?

A. グループホームに入居できない場合、以下を検討してください。

まず今日やること {#section-action}

グループホームについて理解が深まったところで、今日の具体的なアクションを3つお伝えします。

アクション1: 地域包括支援センターの電話番号を調べる(5分)

「○○市 地域包括支援センター」で検索し、最寄りのセンターの電話番号をメモしてください。地域包括支援センターはグループホームの情報収集・紹介・相談を無料で行っています。1本の電話で地域のグループホームをまとめて紹介してもらえます。

地域包括支援センターの役割・使い方を詳しく知る

アクション2: 現在の状態と希望をメモする(15分)

相談の際に役立つ情報を事前に整理しておきましょう。

本人の状態チェックリスト:

  • 食事・入浴・排泄のうち介助が必要なもの
  • 認知症の診断の有無・診断名
  • 要介護認定の有無・要介護度
  • かかりつけ医の名前と連絡先
  • 住民票の現在地(市区町村)
  • 服薬している薬の一覧(処方箋のコピー)

希望のチェックリスト:

  • 入居を希望する時期(今すぐ・3か月以内・半年以内・1年以内)
  • 希望するエリア(○○市内・○○区内 など)
  • 予算の上限(月額○万円以内)
  • 重視すること(立地・費用・認知症ケアの質・医療連携・看取り対応 など)

アクション3: 要介護認定の申請(まだ受けていない場合)

要介護認定をまだ受けていない場合は、今すぐ市区町村の介護保険課または地域包括支援センターに申請してください。グループホームへの入居には認定が必須です。申請から認定まで約30日かかります。

要介護認定の申請方法を詳しく見る

この記事は2026年6月時点の情報です。 介護保険制度は3年ごとに大きな改正があり(次回主要改正は2027年度予定)、費用・制度詳細は変更される場合があります。最新情報は厚生労働省 介護サービス情報公表システムまたは市区町村の介護保険課・地域包括支援センターにお問い合わせください。

一次情報源: 本記事の数値は厚生労働省「介護サービス情報公表システム」・健康長寿ネット(公益財団法人長寿科学振興財団)・介護保険法(第8条第20項)と照合しています。

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著者プロフィール

スマくら介護編集部

介護保険制度・高齢者福祉サービスの解説を専門とする編集チームです。厚生労働省・WAM NET・各種自治体公式情報をもとに、介護に初めて直面する方が「今日の一歩を踏み出せる」コンテンツ制作を行っています。本記事は公式一次情報(介護保険法・厚生労働省告示・健康長寿ネット)との照合を完了した上で公開しています。

編集部み。外部の有資格者による人間監修は順次招聘中であり、本記事には未付与です。医療・法的・財務に関する最終判断は、必ず地域包括支援センター・自治体担当窓口・社会福祉士等の有資格者にご相談ください。